国では、コンピューターが出現する以前から、個々の商品情報を入手するために、さまざまな方法が試みられました。パンチ・カード・システムの時代から普及し始め、コンピューターの出現で加速したのが、「パンチ・タグ・システム」です。
写真は、米国キンボール社のタグです。商品を示す特定番号が一枚毎のタグにパンチされた孔で表示されています。このタグがそれぞれの商品に取り付けられ、その商品が売れたときにタグの1片を切り取って回収し、まとめて機械で読み取り、紙テープや磁気テープに転換してコンピューターで処理するのがパンチ・タグ・システムです。
この写真ではパンチ・タグは2片式ですが、企業によっては4片式、5片式などのタグを採用し、商品の棚卸しのつど1片を切り取って棚卸しのデータにするなどの利用も行われました。
このシステムは全米をはじめに、日本でも先進的な小売業で採用されました。しかし販売時点でのタグの取り忘れや、紛失を防ぐことができず、しかも全店からの回収とその処理に時間を要するためPOSシステムの普及と共に姿を消すこととなったのです。